道端アンジェリカさんが「乾癬」という皮膚の病気であることを告白され話題になっています。
5月16日「ミヤネ屋」の放送で、「乾癬」の原因や症状、治療法などについて、アンジェリカさんのコメントを交えながら、乾癬の専門医・兵庫医科大学の今井康友医師とともにわかりやすく説明されていましたので覚え書きとしてまとめました。
道端アンジェリカさんが乾癬を公表された理由は、病気のことを広く知ってもらい、病気で悩んでいる人への理解を深めてほしいという願いからだそうです。
私も知らなかったのですが、身近にいるかもしれない乾癬で悩んでいる人や、自分自身のことも含め、他人事ではありません。ぜひ知っておいてほしい情報です。参考にしてくださいね。
乾癬とは?
「乾癬」とは、慢性的な経過をとる皮膚の病気です。
一時的に治ったように見えても、繰り返し色々な部位に発症し完治が難しいと言われています。ですが、近年色々な治療法が進み、かなり症状を抑えることも可能になっているようです。
また、「かんせん」という名前から誤解されやすいようですが、他の人に感染することはありません。
典型的な症状は、少し盛り上がった蕁麻疹のような部分に白っぽいかさぶたのようなものができ、ポロポロと剥がれ落ちることです。発症する部位はほぼ全身で、頭皮にもできます。小さなものから広範囲にもできます。
人によって痒みや痛みを伴ったり、また全く痒みを感じない人もいるそうです。
患者数は推定20万人以上。日本では500人に1人、欧米では100人に2〜3人と言われています。もともと欧米に多い病気ということから、食生活の影響もあるのではと言われています。
*アンジェリカさんは、6〜7年前くらいから症状が出始め、最初は肘と膝にできたそうです。当初「乾癬」とはわからず、ただ乾燥しているだけなのか、単なる肌荒れ程度と思ってさほど気にしていなかったそうですが、お腹や背中、手、足とどんどん増えていき、何をしても治らなかったため、いろいろ調べたりした後に大学病院に受診し「乾癬」と判明したそうです。
現在も治療中で、顔にも跡が残っていて消えていないそうです。
乾癬の種類
乾癬は5つの種類がありますが、症状は人によってさまざまあり治療法もそれぞれ異なります。尋常性乾癬から様々に移行していったり重症化する場合もあるそうです。
●尋常性乾癬
乾癬の中で最も多く全体の約9割。
●感染性紅皮症
尋常戦乾癬が全身に広がり、皮膚全体の80%以上が赤くなった状態。
●滴状乾癬
水滴ぐらいの大きさ(1cm)の乾癬が全身にできる。
比較的治りやすく、完治する場合が多い。
●乾癬性関節炎
皮膚症状に加え、関節に痛みや変形などが生じる。
●膿疱性乾癬
カサカサとした部分だけでなく、ジクジクした赤い部分が生じ、その中に膿疱(膿を持った状態)ができる。
重症化すると最悪の場合死に至ることも。
乾癬のメカニズム
通常皮膚は約45日で再生されていて、古くなった皮膚は「アカ」となって自然に少しずつ剥がれ落ちていきます。
ところが乾癬の場合、表皮と真皮の間で何らかの原因物質に免疫力が過敏に反応してしまい、表皮の新陳代謝が活発になり4〜5日と異常に早くなってしまいます。このため角質が積み重なりフケのように剥がれ落ちます。
できやすい箇所はほぼ全身。
頭皮、顔、おなか、背中、太もも、すね、膝、肘、お尻、爪などです。
原因は?
●はっきりとわかっていない部分もありますが、炎症を起こす何らかの物質(原因物質)が関与していると考えられていて、その原因物質のいくつかは判明しているとのこと。
●不規則な食事・ストレス・肥満などから発症すると言われています。
●遺伝の影響もあると考えられています。
●衣服などに擦れてできることもあるそうです。
治療法は?
乾癬の治療法としては、主に4つあります。
●塗り薬
塗る部位によって塗り分ける必要があります。
●飲み薬
・炎症を抑える・かゆみを抑える・原因物質に働く。
●紫外線照射
照射器をあてて治療します。
昔から適度な日光浴は体に良いと言われていますが、太陽光に含まれる特定の波長の光が、過剰な免疫を抑える効果があるそうです。
(★日光浴は、やりすぎると日焼けしますので注意が必要です。)
●注射療法
原因物質に働きかける成分を投与します。
通常、3ヶ月に1度程度のサイクルで定期的に接種する必要があります。
接種するのをやめてしまうと、また症状が出るとのこと。
*アンジェリカさんも一時期注射療法を受けていたそうですが、1本7万円とかなり高額で、少し良くなってやめてしまったらまた再発したそうです。
*現在は注射療法を再開されているとのこと。ご本人の希望で塗り薬は使わず治療しているそうです。(2017.7現在)
日常生活で気をつけること
・適度に日光浴をする。
・バランスのとれた食事をする。
・深酒をしない。
・タバコは控えめに。
・入浴時、タオルで強くこすったり、熱いお湯は控える。
・ストレスを溜めない。
*アンジェリカさんは、早寝早起きを心がけ、脂っこいものや加工食品などはできるだけ食べないようにしているそうです。
乾癬患者の悩み
・見た目が悪い。
・フケがよく出る(不潔に思われる)
・肌を出すのが恥ずかしい。
・かゆみ
★治療が長期になると、薬による副作用も難しい問題のようです。
*アンジェリカさんも、やはり毎日薬を飲んだり塗ったりしなければならないことや、自分ではコントロールできないところで急に発症したりするため、かなりストレスを感じているそうです。
周りの人の理解が無いことも、些細なことで傷ついたり、対人関係が難しくなってしまうこともあるとか。
できるだけ前向きに考えるようにし、悪化させないようにいろいろと気を使っていると仰っていました。
今回、カミングアウトしたことでスッキリし、気持ちがすごく軽くなったそうです。
まとめ
乾癬は、急に発症することもあるようなので他人事ではありませんね。
乾癬の発症原因というのはアトピーと同じなんだそうです。免疫力が過敏=アレルギー体質のようなものなので根治や予防というのも難しいかもしれませんが、日常生活でできることはなるべく気をつけたいですね。
息子も、学校生活の中ですごくストレスを感じていた時期にアトピーを発症したことがありました。幸いそれほど悪化することはありませんでしたが、このまま酷くなったらどうなるんだろうとすごく不安に思ったのを覚えています。環境が変わった途端に治ったのが不思議でしたが、やはりストレスは免疫力を低下させるので、いろいろな不調の原因になるんですね。食生活も大事だと感じました。
腸内環境を良くすることは、免疫力を高める効果があると言われていますし、バランスの良い食事や睡眠、ストレスを溜めないことなども腸内環境にすべて相互に作用しますので大事ですね。
現在では治療法も進化しつつあり、発症してしまった場合も、適切に治療を受ければ悪化することも防ぐことができるそうですので、やはり早めに病院に行くのが良いですね。