5月12日NHK「あさイチ」の放送で、漫画家でエッセイストのヤマザキマリさんが、母の日にちなみ「おすすめの”母”本」を紹介してくれました。
私も本が好きなので覚え書きとしてまとめました。
「地球家族 〜世界30カ国のふつうのくらし〜」
「ヴェネツィア/谷口ジロー」
「べつの言葉で/ジュンパ・ラヒリ」
「 国境のない生き方〜私をつくった本と旅〜/ヤマザキマリ」
の4冊です。
”何か1冊”と思った時、癒されたいな〜と思った時などにおすすめ。気軽に読めて心が潤う本です。
ヤマザキマリさんは、漫画家・エッセイスト。代表作は、映画にもなった「テルマエロマエ」など。
17歳でイタリアのフィレンツェの美術学校で油絵と美術史を学び、その後イタリア、日本、シリア、ポルトガルなど様々な国で生活されています。その経験を生かしたワールドワイドな視点で母の書籍を選んでいただきました。
地球家族 〜世界30カ国のふつうのくらし〜
いろんな国の日常の暮らしぶりを撮影した写真集です。
世界中の国のごくごく普通の平均的な家族の暮らしが写真で紹介されています。
「家の中のもの全部見せてください」というプロジェクトで、世界中の一般的な中流家庭で、家の中にあるものを全部家の外に出して並べて撮った写真が面白いです。
アフリカ・マリ共和国では、土で作られた家で家財道具はほとんどなく、女性も上半身は衣服を身につけず外で火を焚いて食事を作るような暮らしだったり、クウェートでは広々とした敷地に、24人がけのソファや自家用の高級車4台!(これがごく一般的だそうです。)”男性優位な社会”というのが写真の中からも見て取れます。
日本では、狭い敷地にぎっしりとものがひしめき合っています。日本の家財道具を見ると、風呂文化が発達していることがよくわかるそうです。笑
本当にそれぞれの国の文化、それぞれの家の暮らしぶりは様々なんだなあということがよく分かり、それを比べることはナンセンスだということを感じられる本です。
*ヤマザキさん曰く
”「普通」とか「幸せ」には基準はなく、それぞれの家でそれぞれの幸せを維持していくことが母親の役割ではないのかなと痛感できる。”とのこと。
じっくり見ていると1ページ1時間くらいかかるそうです。笑
面白そうですね!
ヴェネツィア 谷口ジロー
漫画「孤独のグルメ」で知られる谷口ジローさん(2017年2月没)による画集。
絵がとても詩的で、美しい本です。
美しい風景とともに、ベネチアを訪れた日本人青年が、昔画家をしていた祖父の足跡を辿るというストーリー仕立てになっています。谷口さんの作品は、欧州ですごく高く評価されているそうです。
谷口さんの感性が素晴らしく表現されていて、構図や色使いなど、日本人ならではの繊細さや情緒感があり、いろいろな音や鳥の声、人の声も聞こえてきそうな、まるで映画を見ているような本。
*ヤマザキさん曰く
”慌ただしい日常生活を送っているお母さんに、ちょっとした息抜きに、美しく詩的なヴェネツィアの旅をしているような気分を味わってもらい、心が潤う本です。”
絵や写真が綺麗な本は良いですよね。癒されます♪
番組で本の内容が少し紹介されましたが、水彩画ならではの繊細で柔らかなタッチに心が溶けていくような感じがしました。ヴェネツィアは行ったことがないですが、この本を見たら描かれている風景を実際に見て見たくなるかもしれませんね。
↓こちらも大人気のロング&ベストセラー本です。(作画・谷口ジロー)
べつの言葉で ジュンパ・ラヒリ
インド系アメリカ人の女流作家ジュンパ・ラヒリさんが、家族とイタリアに引っ越し、初めての異国でのくらしの奮闘ぶりを、イタリア語と格闘しながら綴ったひたむきなエッセイ。
母親目線からの子供のこと、夫のこと、日常的なこと、そして自分自身のことが書かれています。
ラヒリさんは、もともと母国語はベンガル語で、学校で英語教育を受けました。30歳を過ぎてイタリアに住んでから初めて学んだイタリア語で書いたそうです。不自由なつたないイタリア語で率直に描かれた文章が美しく魅力的で、ため息がでるほど感動的。と。
*ヤマザキさん曰く
”子供がいると「お母さん」としての自分が最優先になりがちですが、「母であっても自分と向き合う」ということを思いおこさせてくれる本です。”
国境のない生き方〜私をつくった本と旅〜・ヤマザキマリ
ヤマザキさんが書いたエッセイ。
ヤマザキさんがなぜイタリアに行ったのか、なぜ漫画を描くようになったのか、という数奇な運命と大胆不敵に生きるヤマザキさん自身のことがドラマチックに書かれています。
その中に、「人類最強」と言っても過言ではないという超パワフルなヤマザキさんのお母様のことが書かれていて、生きていることそのものに喜びを感じながら自由にパワフルに生きている姿に感服させられ、そのスケールの大きさに、小さな悩みも解放されてしまうそうです。
ヤマザキさんのお母様は音楽家で、とても多忙でもあり、全然母親らしくないお母様だったそうです。お弁当に食パンがぎゅっと詰めてあったこともあるそう。
ヤマザキさんは、そんなお母様にいわゆる”母親らしさ”を求めなくなったそうです。
母親はこうあるべき、というのも人それぞれの価値観ですよね。
まとめ
どれも手にとって見てみたいと思えるような素敵な本ですね。
今回紹介された本は、母親であることに縛られず、もっと広い視野を持って、自分らしくいればいいと思わせてくれるような本です。
狭い世界の中で他と比較することは自分を意味なく追い詰めることにもなります。
世界観が広がると”タガ”が取れて楽になる、楽になっても良いんじゃないか、というヤマザキさんのメッセージです。
自由に、自分らしく、と言ってもなかなか難しいですが、読んで少しでも気持ちが安らいだり、元気になれる本は良いですよね。気軽に読めるエッセイや、絵や写真がたくさんある本は眺めてるだけでもいいので、息抜きにもなりますね。
本はいろいろな世界を見せてくれますし、感動することもできます。良い本はたくさんありますが、いざ1冊を選ぶとなるとたくさんありすぎてどれを選ぶか迷いますので参考になりました。
気になる本があったらチェックしてみてくださいね。
■おすすめ関連記事
・あさイチ 芦田愛菜おすすめ!子供にも大人にも・夏休みにぴったりな本
・あさイチ 阿川佐和子おすすめの”父”本3選・杏っ子・五月三十五日・強父論
・嵐にしやがれ ピース又吉直樹おすすめの本・絶対外さない本の選び方