2017年1月25日(水)【ためしてガッテン】で「肺炎にならないぞスペシャル」が放送されました。
肺炎って、自分とはあまり関わりがない病気と思っている人が多いのではないでしょうか。
実は、成人の10人に1人がすでに肺炎の原因となる肺炎球菌を保菌しているという衝撃事実。
体調不良やストレスなど、免疫力が低下していると発症しやすくなってしまいます。
そして、肺炎は日本人の死因第3位でもあります。
肺炎を発症しないための対策や、知っておくべきワクチンのことなど、肺炎の最新対策をご紹介します。
肺炎の原因と症状
「肺炎球菌」が肺の中に入り込み炎症を起こすと、肺炎を発症します。
通常、肺炎球菌は人の鼻の奥に棲んでいて人から人に空気感染しますが、鼻から喉に入ってもそこで発症することはありません。
しかし、インフルエンザや風邪などの感染症がきっかけとなり肺の奥に入り込むと、そこで活性化し肺炎を発症します。
肺炎の症状
肺炎は、“風邪をこじらせたもの”と思われがちですが、肺炎と風邪は別物です。
風邪は、喉や咽喉の炎症からせき、鼻水、熱などが起こるもので、熱は高くても38度程度まで。安静にしていれば数日〜1週間以内には完治します。
一方肺炎は、細菌やウイルスなどの病原体が、肺の肺胞に感染して炎症を起こし、酸素と二酸化炭素のガス交換に障害が生じます。そのため息切れや黄色〜褐色のたんが出たり、38度以上の高熱などの症状が長く続きます。
・胸にするどい痛み
・38度以上の高熱
・息切れ ・息苦しい
・せき
・体がだるい
・黄色~緑色や鉄さび色のたん
・顔やくちびるが紫色
・食欲がない
・このような症状が長く続く
・鼻水・くしゃみ・喉の痛み・せき・38度くらいまでの熱
・安静にしていれば数日〜1週間で完治
風邪の咳や熱など、風邪の症状とも似ているため”風邪だと思っていたら肺炎だった”ということがあります。
また、肺炎と気付きにくい症状として、息が浅くなる、ぐったりする、食欲が無いなどがあります。
肺炎と気づかないまま悪化させてしまうことがあるため、こうした症状が3日~4日続く場合は、肺炎を疑ってすぐに医療機関を受診しましょう。
肺炎球菌は、感染しても通常は免疫力が働くため問題ありませんが、
体調を崩していたり、免疫力が低下している人、5歳未満の乳幼児や、65歳以上の高齢者が発症しやすくなってしまいます。
肺炎予防のポイントは「脾臓」だった
特に高齢者が肺炎にかかることが多いのには、「脾臓(ひぞう)」が関係しています。
脾臓は、背中の左側にある臓器で、全臓器の働きを司る重要な臓器なのです。
肺炎球菌はバリアに囲まれていて、体内の通常の免疫力が働かず、そのままだとどんどん増殖してしまうことになります。そこで有効なのが、脾臓から分泌される「マージナルゾーンB細胞」という免疫細胞です。
この細胞が「肺炎球菌」に反応し、免疫システムが働く仕組みになっているのです。
ところが、脾臓は年齢とともに小さくなり、その働きも低下してしまうそうです。
特に60歳を過ぎると急激に小さくなり、肺炎に対する効力も急降下してしまいます。
なので、高齢者ほど肺炎にかかりやすくなるんですね。
肺炎球菌のワクチンは、この脾臓の働きを活性化する効果があるのです。
インフルエンザワクチンは全身の免疫細胞に働きかけるのに対し、
肺炎球菌のワクチンは「脾臓」に働きかけ、発症を予防し重症化を防ぎます。
予防策は?
日常生活でできる予防策をご紹介します。
肺炎球菌は、人から人に空気感染しますので、からだに入り込まないようにすることが大事です。
毎日の予防対策
■手洗い
・アルコール消毒液を手指にすりこむのが有効。
■うがい
・水でOK。
・喉のうがいは、声を出してやるほうが洗い流す効果が高くなるそうです。
■マスクを着用する
・鼻から顎の下まで隙間なく覆うこと。
・使いまわさないこと。1度使用したら捨てましょう。
■就寝時、上半身を少し高くして寝る。
肩のあたりから上を少し高くして寝ることで、肺炎球菌が喉から肺に落ちにくくなります。(胃の方に落ちれば発症しません。)
*無理せず気持ちよく眠れる範囲で。
免疫力を高める
・規則正しい生活
・喫煙をやめる
・予防接種(ワクチン)をする
2つのワクチンで肺炎予防!
予防法としてワクチンが有効ですが、ワクチンには2種類あります。
*「肺炎球菌」を保菌できないようにする。
・一生有効。
・費用1万円。補助無し。
・任意接種
・接種対象:2ヶ月〜6歳未満、65歳以上。補助なし。
*脾臓の働きを活性化させ、肺炎球菌による重症化を防ぐ。
・5年間有効
・費用8000円。対象年齢のみ割引補助あり。
・5年毎の定期接種。
・接種対象:65歳から5歳ごと。(65/70/75/80/85/90..)
*2つのワクチンは、同時に接種することができず、1年あける必要があります。
*ワクチンを受ける際は医師に相談しましょう。
*ワクチンは、主な23タイプの肺炎球菌に有効です。(30種類以上ある肺炎球菌全てに効力があるわけではないとのこと。)
脾臓は60歳を境に急激に小さくなるため、肺炎に対する抵抗力が急激に下がります。
ですから、60歳を過ぎたらワクチンを接種することがとても大切なんですね。
ワクチンを打つことで、接種前と比較して抗体が10倍以上に増えるそうです。
まとめ
最近広告でもよく見かける”高齢者への肺炎ワクチンのキャンペーン”は、数に限りがある貴重なワクチンということで、よりリスクが高い高齢者を優先にしているそうです。
また、乳幼児のうちにワクチンを受けておくと、肺炎球菌保有者自体が減るので、感染拡大を食い止め、肺炎撲滅につながるということなんですね!
私も早速受けようかと思いましたが、年齢がまだでした。(まだまだでした。再)
65歳になるのが待ち遠しいです(笑)。
それまで脾臓に頑張ってもらえるよう、免疫力アップを心がけたいと思います。
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